Center for Humanities, Science and Religion (CHSR)

人間・科学・宗教オープン・リサーチ・センター

ホーム 研究 人間・科学・宗教オープン・リサーチ・センター > News > 【報告】グリーフケア講座「インターフェイス(interfaith)~臨床宗教師とインターフェイスの関わり」

【報告】グリーフケア講座「インターフェイス(interfaith)~臨床宗教師とインターフェイスの関わり」

2023.07.08

金田諦應氏

 2023年7月4日(火)カフェデモンク主宰・金田諦應氏より「インターフェイス(interfaith)~臨床宗教師とインターフェイスの関わり」と題したグリーフケア講座が開催された。本講座では、インターフェイスすなわち「異なる信仰者のケアと異なる宗教間への視点・協働、他者一般への視点・関わり」の重要性や課題について、金田氏の実体験を交えつつ語られた。司会は本学教授である鍋島直樹氏が担当した。

鍋島直樹氏

 まず金田氏は、インターフェイスを語る上で、他宗教への4つの視点のあることを提示された。その中、臨床宗教師に必要な視点は「ミューテュアリティモデル(どの宗教も根本は同じ)」「アクセスタンプモデル(各宗教は相異しているため相互に尊重すべき)」であるとし、インターフェイスを問い続けることが臨床宗教師にとって必須の資質であると語られた。そしてその具体相を

①東日本大震災と「インターフェイス」②私にとってのインターフェイス③私のインターフェイス体験④臨床宗教師とインターフェイス、という4点より示された。その中で氏は、心のケアを求める人たちに対し、異なる宗教者たちが協力・協働することで実現できる事業があることを、東日本大震災での実体験をもとに語られた。また、異宗教間の交流は、良き学びの場であり、深みと広がりを得ることのできる場であることもインターフェイスの特長の1つである。

 最後に金田氏は良寛の詩を引用しつつ、改めて臨床宗教師はインターフェイスによって東洋的世界観・人間観主客を超越したケアの諸相を学ぶべきであると語気を強められた。

講座の後、コメント・質疑応答が行われた。司会である鍋島氏はインターフェイスを虹に例えられ、それぞれの色は違っていても架かるものであり、そうありたいと語られた。その後フロアーからも質疑応答があり、その中で金田氏は「臨床宗教師は苦しむことが大切である」と、臨床宗教師を志す参加者に語られた。その後も充実した意見交換が行われ、講座は終了を迎えた。

記念写真

(文責:PD西村慶哉)