【報告】特別講義ミニドラマ 「親鸞さんと愉快な仲間 悪人の救い」
2023.07.05
龍谷大学大学院実践真宗学研究科「実践真宗学研究」(担当 杉岡孝紀)
文学部「真宗学概論AⅠ」(担当 鍋島直樹)の特別講義として開催
開催日時:2023年7月5日(水) 9:15~10:45
開催場所:龍谷大学大宮学舎東黌101教室
出演:龍谷大学大学院実践研究科 Namo Ami Fellows
劇作:鍋島直樹
協力:世界仏教文化研究センター、人間・科学・宗教オープン・リサーチ・センター(CHSR)
【講義風景】
【概要】
この特別講義は、親鸞聖人のあかした仏の救いを演劇にして、「世界の苦悩に向き合う仏教の智慧と慈悲」について考えるものである。人は誰しも悩みながら生きている。喜びを感じる日もあれば、悲しく生きづらさを感じる日もあるだろう。親鸞聖人は悩みを抱えた人々にどのように心を寄せたのか、演劇という表現を通じて学ぶ講義となった。
ドラマでは、親鸞聖人が市井に生きる人たちと交流し、教えを説かれる姿が描かれる。猟師や商人、バスの運転手など、様々な職業の人たちが登場するが、なかでも金子みすゞが現れるシーンは印象的である。金子みすゞ(1903-1930)は、大正末期から昭和初期にかけて活躍した日本の童謡詩人である。彼女は篤信な浄土真宗の門徒の家に生まれ、小さな頃から浄土真宗のみ教え・文化・風土に触れながら育った。彼女の詩には「仏教の智慧と慈悲」を感じさせるものが数多くある。そんな金子みすゞが今回のミニドラマにも登場し、詩を詠み、ともに命の尊さを考えるという場面もあった。まさに時代を越え、先人たちの教えに耳を傾けながら、仏の救いに思いを馳せる時間となった。
講義後に配布したコメントカードでは、「私たちが根源的に持つ罪悪性について考えることができた」「慚愧することの大切さを知ることができた」「親鸞聖人のような方であっても、私たちと同じように悩みを抱えているということに感動した」といった受講者たちの感想が寄せられた。
(文責:RA釋大智)