研究活動

研究活動報告

大学院実践真宗学研究科創設10周年記念 特別講演が開催されました 4月11日(水)

本学大学院実践真宗学研究科創設10周年記念特別講演として4月11日(水)、

「熊本地震から2年―寺院全壊のなかで大切にしたこと」が開催されました。

 

 

甲斐知史氏(熊本県正教寺住職・本学大学院文学研究科修了生)にお話いただき、

鍋島直樹文学部教授・本学大学院実践真宗学研究科長との対談も行なわれました。

 

【講演概要】

熊本地震により、甲斐住職の護られている寺院が全壊した。

震災で大切なものを失った人の気持ちは混沌としている。何もできない無力感、お寺を喪失する虚しさ、だんだんと支援が少なくなっていく寂しさ、阿弥陀如来を守り、阿弥陀如来に守られていることを感じる気持ちが混在している。空しさとぬくもりという相対する感情が一緒になったような気持ちである。そうした不安、悲しみ、いたみ、感謝、希望などのすべての気持ちをあるがまま受けとめてくださるのが阿弥陀如来の大悲であることが甲斐住職の話から伝わってきた。

寺院崩壊の中で学んだ大切なことは何か。甲斐住職が寺院全壊の中で無意識に大事にしたのは、阿弥陀如来だった。4月16日、2回目の本震の後に本堂から一番に救ったのは本尊の阿弥陀如来だった。そして庫裏にあるお内仏の阿弥陀如来像の横に、本堂にあった阿弥陀如来像を布にくるんで横たえ、手を合わせた。また、仏具や須弥壇や金色の柱や格天井の仏画もすべて丁寧にとりはずした。復興したらそれらの仏具を再び役立てたいとも思いからであった。

困難の中、地震直後の7月から人々が集まって聴聞できる常例法座を再開した。なぜ再開したのか。それは仏法をお寺で聞きたいというご門徒の願いに応えたい気持ちからだった。困難な時には、人々が気持ちを話し合える居場所をつくる、それがお寺の役割であるからだ。甲斐住職は、寺院が崩壊を通して今まで支え護ってこられた方々の熱意に気づかされ、愛山護法の気持ちがあふれたという。壊れた本堂そのものにある尊いぬくもりを感じ取り、復興を誓って守ろうとしている。こうした甲斐住職の宗教実践を誇りに思う。

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